あなたが一番好き
年上の高校教師と、教え子の淡い恋を描いた作品。
その題材から当時問題作ともいわれて話題になっていた。
「最後、お互いのためとかいって別れちゃうんだよー!!」
「俺もその映画見ようと思ってたんですが。」
何盛大にネタバレしてくれてるんだ。
腰にしがみつく五条先生をはがそうとその肩に力をこめるがびくりともしない。
(クソっ!)
「でも、恵僕が教師だからって別れるとかいうかもしんない!!」
「教師云々の前に、あんたは俺の五条さんでしょ。」
ぽかんと、俺を見つめた後、五条先生はすくりと立ち上がりまた抱きついた。
「そうです!!伏黒恵君の大切な五条悟です!!」
大きな声に内心、うるさっと思ったがその言葉には同意する。
俺にとって五条先生は。
「はい。大切です。」
その背中をぽんぽんと優しくたたく。
何を心配しているのか、この人はよく不安がる。
だからちゃんと言葉にする。俺にはあなただけだと。
「五条さんが一番好き。」