28(仁王柳生)

かたこい。

「柳生、すきっていったらどーする」「ならば私の前から消えてください」 「......」「......」 「嘘じゃ、じょうだんじゃよ」「......」 「それならその涙を止めてください。まるで私が苛めているみたいじゃないですか」

かけひきは無用

笑い飛ばして終わりの冗談のような始まりで付き合いはじめた。軽いきっかけ、軽い言葉。場所なんて下校するやつらのざわめきが聞こえる学校の廊下普通の話のついでみたいに。 柳生はいつものように飽きるまでの詐欺師ごっこに巻き込まれたと 思っているのだ…