カワイイヒト

「五条悟」は可愛いと思う。

 

そんなことを人に言ったのなら、熱でもあるのかとか正気かとか言われそうだが。

 


確かに、性格は悪いし、言動は軽いし、子供っぽいし、

 

何かがあっても、すべて自分で抑え込んで面には出さない。

 


スマートな大人だけれど。

 


俺にとっては、五条先生は可愛らしく映るのだ。

 

 

「やっほー、恵。」

 


お疲れサマンサ~と手を挙げながら、五条先生が近づいてくる。

 


任務の後なのだろうか。

 

隠しているつもりなのか、でも疲労がうかがえる。

 


(笑っているつもりなんでしょうけど、全然なってませんよ)

 


「ちょっとかがんでください。」

 


「ん?どうしたの。」

 


素直にかがんでくれた、目の前にある頭をさらりと撫でた。

 


「五条先生、お疲れさまです。」

 

 

すると、ぴたっとその姿勢で固まった後、

 

 

がばりと抱きつかれる。

 

 


「そうなんだよー!!もう任務続きで、祓うのは楽なんだけど移動がきっついの!恵は優しいねぇ!!」

 


「俺もついていけたらいいんですけど。」

 

たとえ役に立てなくても、孤独にはさせない。

 


「そうしたいのは山々だけど、恵には勉強もあるし~。」

 


はーっと大きなため息をつきながら、五条先生が俺の胸に頭をぐりぐり押し付ける。

 


まるで玉犬になつかれているようで、あたたかい気持ちになる。

 

 

気を許してもらえているようで、嬉しくなる。

 

 

こんな五条先生の姿が見れるのは、俺だからであったら良いなと思う。

 

 

 

はやくあなたの隣に立てるようになりたい。

 


こころに改めて決意をしつつ。

 


いい加減五条先生離れないかなと、もう一度サラサラの髪の毛をぽんぽんした。