すきなのは純白

「不二君、僕は貴方に会えてとても幸せだと思いますよ」


「どうしたの観月、急に」

「だからね不二君」


「いつまでも僕の顔色を伺うような、鬱陶しいおどおどした瞳で見るのはおやめなさい」

 

あの試合でプライドを木っ端微塵に叩きのめされたのは僕なのに
一番傷ついて後悔しているのが貴方だなんて

ばかばかしい過ぎて吐き気がしてくる。

 

こんなにもきみとは一緒にいるのに。
きみはいつまでも
目の前にいる僕ではなく、あの夏の崩れ落ちて俯いている僕を見ている

ああ、なんて鬱陶しい。

 

 


すきなのは純白、だからきみがすき
すきなのは挫折、だからきみをすき